これは、学校にちゃんと向かう真面目な少年のお話・・・
次は八事〜、八事〜…
車内アナウンスが聞こえてくる。もうすぐ学校か。
僕は名古屋市内の大学3年生だ。実家から通っている。
今日は再々履のプログラミング応用の講義がある日だ。
再々履というなかなかファンキーな感じになっているがそれには理由がある。
言い訳にもならないが、1度目の履修時は起きたら終わっていた。
1度目のテスト日程は1限の時間に設定されていた。
僕の大学で1限の時間からというと、始まりは9:20からである。
家からざっと1時間、準備に1時間つまり僕は遅くても7:20には起きなくてはならなかった。
当時の僕にそんな能力はなかった。
そして試験当日、朝起きたと同時に全てを察し心の中で(終わった…)と思いもう一度寝た記憶がある。
2度目は簡単にいうと、知らなかった。
プログラミング応用という講義は、再々履をしているあたりからみんな気づいているとは思うが必修科目というものに当たる。
大学の必修科目の制度を知らない人のために簡単に説明すると、大学は基本的に自分で履修する科目を選ぶことができる。1週間のスケジュールを自分で組み、取った講義に合わせて学校に行き講義を受ける。
しかし、自分で履修科目を決める前にすでにスケジュールに組み込まれている科目がある。
これが必修科目というものだ。これは大学側が学部学科に合わせて用意しているもので、「好きなもの選んでいいけどこれだけは絶対履修してね〜^^」というものだ。
ちなみにこれのおかげで少なくとも僕の学部の人間は履修登録に対してかなりの制限をかけられているだろう。
そういうわけで、必修科目なプログラミング応用だが1度目に落単を宣告された時に次にいつ受けることができるか確認をしていなかった。というよりは必修だから時期になれば勝手に登録されると思いさほど気にしていなかった。これが全ての落ち度だ。
その時期が来た時に僕の履修スケジュールにプログラミング応用の文字はなかった。
何も知らない僕は、当たり前のように別の科目を履修していた。
僕が、その時期にプログラミング応用が再履修をしていると知ったのはテスト週間の真っ只中だった。
「けんちゃんプロ調子どう?」
確かこんなような事を聞かれた気がする。しかしその時の僕はプログラミング応用を支流していないどころか今やっていることすら知らない状態だった。
「は?」
「プログラミングオウヨウ・・・?」
僕は完全にパニックになっていた。
僕は夕日に向かって走り出した。なぜ僕だけ履修登録がされていないのか、僕が学校に対して何かしたというのか。むしろ何もしていなさすぎて申し訳ないレベルだが。。。
これは冗談だが、本当に意味がわからなかったので足早に教務課へ向かった。
教務課から言われたのは「すいません、入れ忘れていました。」の一言だけだった。
ごめんなさいだと・・・?そんな簡単な言葉で済まされると思っているか。僕はこの講義で卒業がかかっているんだぞ。
怒りがふつふつとこみ上げてきた。
怒り狂ったその先に、僕の髪の毛は逆立ち、色が金色になり、目の色は緑。
そう、僕はスーパーサイヤ人になった。
これが2回目の履修時だ。というよりは履修されていなかったのだから実質現在履修しているものが2回目とも言える。
そして3回目を受けている。これを落とすとなかなか不味いらしい。
大学側が学費を笑顔で待ち望んでいる姿が想像でき恐怖に狩られている。
少し話が逸れたが、本題に戻ろう。
プログラミング応用は90分×3コマ構成となっていて、講義が1コマ、実習が2コマだ。
実習は絶対参加だ。もし仮に1日でも無断欠席をしたあかつきには成績表に欠席過多もマークがついてしまう。それほどまでに実習は出席に対して厳しい。
かたや講義の方は自由だ。出席を取らないので何回休んでも問題はない。
しかし、そんなことよりも重要なのは学生の学年だ。
僕は、先ほど実質再履であるといったが時期的には再々履修。
その手前知り合いが少ない。中教室のほとんどは知らない学生だ。
だから僕は数少ない知り合いに受けてもらうより他ないのだ。
いつもは部活の後輩が一緒に受けてくれている。僕は厚かましいので3限の時間は席を取って置いてもらい少し遅れて教室に入る。
だから今日も学校に向かっている途中に連絡を入れた。そう、それが八事だ。
彼女から返信が来て僕は驚愕した。
「今日学校ないですよ(笑)」
どうやら今日は成人の日で学校が休みらしい。
他の大学のことは知らないのでみんなそうなのかもしれないが、僕の大学は基本的に祝日も学校がある。
だから僕は完全に安心しきっていた。それが迂闊だった。
だが今知らされたところでもう遅いのだ。次は八事日赤。
八事日赤に向かうアナウンスが車内に広がる。。。
仕方ないのでそのまま名城線を一周して帰宅した。
こんな悲しいことがあっていいのだろうか。
後輩のお母さんにも笑われてしまったみたいだ。
はっはっは。。。ふぅ、寝よ。